・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 雨の日 TVの天気予報では夜から降るだろうと言っていた雨。 予報に反して午前中に降り出してしまった。 慌てて洗濯していた物を部屋に入れた。 シュミットは忠告通りに折り畳み傘持っていったのでしょうか? そんな心配をよそにびしょ濡れのシュミットがかえってきた。 「ただいま。雨すごかったぞ。雷まで鳴るし・・・」 雨で濡れて靴が脱ぎにくそうだった。 「わぁぁぁ。シュミトびしょ濡れじゃないですか!傘持って行かなかったのですか?」 「見ての通りだ」 そう言って悪びれもなく笑っていた。 「とりあえず、すぐにシャワー浴びてください。タオル持ってきますので待っていて下さいよ」 そのまま部屋に上がりそうだったシュミットにそういい残してリビングに置いてあるタオルを取りに行った。 「はい、どうぞ」 タオルを渡すと荷物を下において頭とか拭きだした。 「ありがとう」 そう、うれしそうに言った。 何というか・・・・。こういうのを水も滴る良い男とでもいうのでしょうか・・・? 思わず見とれてしまった。 それに気づいたのだろう。意地悪そうに口の端を上げて笑った。 何だか急に恥ずかしくなって赤面してしまった。 「それより早くふいてシャワー浴びてきてください」 余計なことを言われないうちに早く行くように促した。 「はいはい。じゃぁそうします。何ならエーリッヒも一緒に入る?」 おでこに派手な音をたててキスをされてしまった。 「シュ・・・・シュミット〜」 言われたことも恥ずかしいが、された事は止めをさされたといった感じで赤かった頬がさらに赤くなっていくのが自分でも分かる。 「まぁ、気が変わったらおいで」 そう言ってバスルームに行った。 脱力してしまった。 ふと見ると床が濡れていたので滑ってこけないようにと思って拭いた。 「あがったぞ」 そう言って抱きついてきた。 ふんわり石鹸のにおいがする。 もうそろそろ上がって来るかと思っていたので紅茶を入れていた。 「冷たいのと温かいのとどっちにしますか?」 「冷たいのがいいな」 そうオーダーを聞いてからコップに氷を一杯入れて紅茶を注いだ。 「はい、どうぞ。離れて座って飲んでくださいね」 テーブルにコップを置いて言うと渋々離れてソファーに座る。 その後を点々と雫が落ちてついて来ている。 「シュミト!」 「何だ?エーリッヒ」 紅茶を飲もうとしていた手を止めた。 「ちゃんと頭ふかないと風邪ひきますよ」 タオルを頭にかけてあげようとすると一歩後ろにひいた。 「大丈夫だ。心配ない」 そう言って首を思いっきり振り、逃げ腰になっていた。 「またそういう事言って・・・・。この前も結局風邪ひいたじゃないですか」 「あ・・・・あれはだな・・・・・・、ちょっと油断しただけだ!」 「観念して頭しっかり拭いてください」 「え〜〜〜」 そう言いながらもシュミットは観念したようでおとなしくなった。 「いいです。僕が拭いてあげます。覚悟してくださいよ?」 驚いたように僕を見た。 「えぇ??」 驚いている間に乾いたタオルで頭を拭いてドライヤーで乾かした。 されるがままのシュミットって意外と可愛くて・・・・。 髪も柔らかくてサラサラだった。 シャンプーの香りが鼻先をくすぐる。 気持ちよさそうな顔を見てるとまたしてあげたいと思うけど、甘やかすとまたして欲しいと言うから取りあえずは苦情を言う。 「まったく・・・髪の毛ぐらい自分で乾かしてくださいよ」 一応釘をさしておいた。 「う〜ん・・・・(そんな事したらエーリッヒが拭いてくれなくなるじゃないか)」 一応思案している様に見える時、実際はとんでもない事とか企んでる事多いんですよね・・・・。 「エーリッヒは人の髪の毛を拭くの上手いな」 気持ちよさそうに身を委ねられた。 「そうですか?妹たちのもたまに拭いていたからだと思いますよ」 あの頃は毎日していたな。と思い出すと懐かしくなった。 「そうか、元気にしてるのか?」 「えぇ、数日前に手紙がきて元気にしてるって書いてありました」 久しぶりの手紙だったので何か急な事があったのかと思えばただの手紙だった。 「そうか」 そう言いながら何回もうなずいていた。 「はい」 「・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・」 沈黙の中雨の音だけが響いていた。 「今日はもう雨止みそうにないな」 「そうですね・・・」 「まぁ、たまには部屋で二人のんびりと過ごすのも良いと思わないか?」 そう言いながら抱きしめられた。 「シュミット・・・」 「エーリッヒ・・・・」 お互いの目と目が合う。 自然に目を閉じてしまった。 キスするまであと2mmというところでドアがバーーーンと開いた。 「シュミット、エーリッヒ僕の部屋でトランプしよう〜」 「ミハエル・・・あなたという人は・・・・」 「何?文句あるの?」 無言の圧力がかかった。 「ないです・・・・・・」 「じゃ、集合ね」 そう言って部屋を出て行った。 「あぁ〜。折角の二人きりの時間が・・・」 「まぁ、それこそたまには皆でトランプも良いじゃないですか?」 「そうだな、まぁ・・・頑張って勝つか」 そう言って立って手を差し伸べられた。 それにつかまって立って頷いて部屋を出た。 まぁ・・・・・たまには皆でゲームも楽しいでしょう。 二人でミハエルの部屋へ急いだ。 終わり・・・・? |